「知りたいか?それを知るには勇気がいるぞ」とは、「地獄の警備員」でその警備員が発する言葉だ。その意味が何であるのかは明らかにならない。もしかすると、殺人鬼自身も意味が分からずこの台詞を吐いているのかもしれない。けれど、殺人鬼が吐くのに、これほど怖い台詞はない、と思う。そしてやっぱりそこで僕は、「『中身があるかないか分からないが、ぞくぞくする』というのは映画の本質なんだよ」と黒沢清の映画に教えられた気分になるのだ。
出典:伊坂幸太郎 ショートピース!仙台短篇映画祭2007「黒沢清のススメ」、2007年7月22日
全員が同じ方向を向いて座っているシーン(5:50~7:16)の違和感。
秋子は赤系統の服、花枝は色とりどりの服。
カメラの置き場所や画角が監視カメラのよう。上からのヒキの画。
「俺の体にはあんたたちとは違う時間が流れている」(86:37~86:42)と兵藤の部屋で富士丸が言うことと、兵藤の部屋に時計が三つある(10:55~11:04)ことの関連性。富士丸はそれぞれのシーンで時間について言及している。
秋子と花枝が話しているシーン(15:15~15:58)ではカメラの動きに合わせて役者が移動しながら演技をしている→黒沢清の強固な画面設計。
秋子が資料室に閉じ込められるシーン(27:42~)での資料室に差し込む光の不思議さ。自然光のようなのに窓は一切画面上に映らない。 白井が警備室で監視カメラで見ていたからこそ、このシーンはヒキで撮られたのでは?
久留米が白井に息を吹きかけるシーン(31:27~)では彼が酒を飲んでいた事を誇示している? ストローを使って職場で隠れて酒を飲んでいる久留米の狂気(36:23~36:31)。
富士丸がカメラの方に寄ることによって影がかかる(34:03~)。 画面右奥の白井は富士丸を見た後に壁の方へ視線を動かす。 左手前に真っ黒な富士丸のシルエット、右奥に壁を見つめる白井である事によって白井の心情を富士丸が代弁しているように見える。 ⬇︎ 富士丸と白井は同一人物? 白井が富士丸に襲われるシーン(61:45~)以降で白井の死体のシーンの描写は出てこない。実は生きているのでは?
富士丸は地下に住んでいる←秘密基地みたいな場所 フランケンシュタインのよう。
さりげなくティッシュを秋子に渡す吉岡の紳士さ(16:20~)。 「セザンヌを85億で落とした」という兵藤のセリフ(90:50~)は秋子を認めたという意味でも取れるのでは? 男性の中だと吉岡と兵藤の2人が生き残った。この時代の職場で軽んじられがちであった女性に対して誠実に接していたから?
画面左上方向へ向かう秋子と右へ向かっていく兵藤一家(92:26~)。縦の構図。左ではなく左上である事によって少し希望が?
会社の中の窓にはカーテンがかかっているかすりガラスである。